運動療法推進機構
「健康増進法」が2002年7月26日参議院を通過し、可決成立

  健康日本21推進のため課題となっていた「健康増進法」が、この7月26日参議院を通過し、可決成立しました。本法は、社会の高齢化が加速するのを受け、予防に主眼を置いた施策をすすめるため、設置が待たれていたものです。 施行に伴って、栄養改善法は廃止されます。
今後、国民が健康増進につとめるため、国と地方公共団体の受け持つべき役割を明確にしたものです。

この法律の要点は次の通りです。
健康増進法の要点
一  目的
この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、 国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とすること。
(第一条関係)
ニ  国民の責務
国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならないこと。
(第ニ条関係)
三  国及び地方公共団体の責務
国及び地方公共団体は、教育活動及び広報活動を通じた健康の増進に関する正しい知識の普及、 健康の増進に関する情報の収集、整理、分析及び提供並びに健康の増進に係る人材の養成及び資質の向上を図るとともに、健康増進事業実施者その他の関係者に対し、必要な技術的援助を与えることに努めなければならないこと。
(第三条関係)
四  健康増進事業実施者の責務
健康増進事業実施者は、健康教育、健康相談その他国民の健康の増進のために必要な事業(以下「健康増進事業」という。)を 積極的に推進するよう努めなければならないこと。
(第四条関係)
五  関係者の協力
国、都道府県、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、健康増進事業実施者、医療機関その他の関係者は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、 相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならないこと。
(第五条関係)
六  定義
この法律において「健康増進事業実施者」とは、次に掲げる者をいうこと。
 1健康保険法の規定により健康増進事業を行う政府、健康保険組合又は健康保険組合連合会
 2船員保険法の規定により健康増進事業を行う政府
 3国民健康保険法の規定により健康増進事業を行う市町村、国民健康保険組合又は国民健康保険団体連合会
 4国家公務員共済組合法の規定により健康増進事業を行う国家公務員共済組合又は国家公務員共済組合連合会
 5地方公務員等共済組合法の規定により健康増進事業を行う地方公務員等共済組合又は全国市町村職員共済組合連合会
 6私立学校教職員共済法の規定により健康増進事業を行う日本私立学校振興・共済事業団
 7学校保健法の規定により健康増進事業を行う者
 8母子保健法の規定により健康増進事業を行う市町村
 9労働安全衛生法の規定により健康増進事業を行う事業者
 10老人保健法の規定により健康増進事業を行う市町村
 11その他健康増進事業を行う者であって、政令で定めるもの
(第六条関係)
七  基本方針、都道府県健康増進計画等及び健康診査の実施等に関する指針
 1厚生労働大臣は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとすること。
(第七条関係)
 2 都道府県は、基本方針を勘案して、当該都道府県の住民の健康の増進の推進に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県健康増進計画」という。)を定めるものとし、 市町村は、基本方針及び都道府県健康増進計画を勘案して、当該市町村の住民の健康の増進の推進に関する施策についての計画を定めるよう努めるものとすること。
(第八条関係)
 3 厚生労働大臣は、生涯にわたる国民の健康の増進に向けた自主的な努力を促進するため、健康診査の実施及びその結果の通知、 健康手帳(自らの健康管理のために必要な事項を記載する手帳をいう。)の交付その他の措置に関し、健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針を定めるものとすること。
(第九条関係)

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