「日本人の食事摂取基準(2005)」は、平成16年12月28日付け健発第1228001号をもって
厚生労働省健康局長から通知されました。
従来「栄養所要量」として国民に基準が設定されておりましたが、今後は各使用現場に合った基準を示すべく
「食事摂取基準」と名称を変え、平成17年から使用する事となりました。
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「日本人の食事摂取基準」の基本的考え方 |
 
食事摂取基準は、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、生活習慣病の予防、エネルギー・栄養素欠乏症の予防及び過剰摂取による健康障害の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである。 |
(1)食事摂取基準の基本的考え方 |
食事摂取基準の策定は、科学的根拠に基づいて行うことを基本とし、以下の基本的な考え方に基づいて行われる。 |
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  エネルギー及び栄養素の「真」の望ましい摂取量は個人によって異なり、また個人内においても変動する。
そのため、健康の維持・増進と欠乏症予防にとって、「真」の望ましい摂取量は測定することが非常に困難であるので、望ましい
摂取量の算定においても、またその活用においても、栄養学のみならず確率論的な考え方が必要であること。
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  生活習慣病の予防を特に重視し、このことに対応する為に、「摂取量の範囲」を示し、その範囲に摂取量がある場合
には生活習慣病のリスクが低いとする考え方を導入すること。
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B |
  それ以上の摂取量になると、過剰摂取による健康障害のリスクが高くなってくることを明らかにすること。
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(2)設定指標 |
食事摂取基準としてエネルギーについては「推定エネルギー必要量」を設定した。栄養素
については、健康の維持・増進と欠乏症予防のために、「推定平均必要量」と「推奨量」の2つの数値を設定した。しかし、この2つの数値を
設定することができない栄養素については、「目安量」を設定した。また、生活習慣病の一次予防を専ら目的として食事摂取基準を設定する
必要のある栄養素については「目標量」を設定した。過剰摂取による健康障害を防ぐことを目的として、「上限量」を設定した。 |
(3)年齢区分 |
0〜5ヶ月、6〜11ヶ月、1〜2歳、3〜5歳、6〜7歳、8〜9歳、10〜11歳、12〜14歳、15〜17歳
、18〜29歳、30〜49歳、50〜69歳、70歳以上。妊婦、授乳婦。
第6次改訂からの変更点:学校給食基準との整合性から6〜8歳、9〜11歳を6〜7歳、8〜9歳、10〜11歳に変更した。 |
(4)策定栄養素量等 |
エネルギー、たんぱく質、脂質(総脂質、飽和脂肪酸、n−6系脂肪酸、n−3系脂肪酸、コレステロール)、
炭水化物、食物繊維 水溶性ビタミン:ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC
脂溶性ビタミン:ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK ミネラル:マグネシウム、カルシウム、リン 微量元素:クロム、モリブデン、マンガン、鉄
、銅、亜鉛、セレン、ヨウ素 電解質:ナトリウム、カリウム |