厚生労働省は今まで成人病と分類されていた疾患のなかで、食生活、運動習慣、喫煙、飲酒、休息等の生活習慣がその発症、
進行に深く関与する疾患群を生活習慣病と呼び、その予防と治療に患者の自己責任意識を取り入れることに決めた。
代表的な生活習慣病である糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満症とこれら疾患に続発する虚血性心疾患の治療は薬物療法に加えて基本的な食事療法と運動療法が重要である。
これらの疾患も病態の初期ではこの基本的な両治療で正常化するものも多い。
特に肥満症では食事療法と運動療法の併用が必須で食事療法だけでは治療途中で減量が停滞する適応現象が必ず出現するので、運動療法が食事療法と同等位に重要である。
食事療法は疾患毎の配慮が必要で、各疾患に対応する理論的根拠にもとづく方法論が、既に確立しているといえる。
一方、運動療法はある程度疾患毎に対応する配慮は必要であるが、方法的には共通する点が多い。
しかしながら、現在、実施されている運動療法は歩行の奨励が主なもので、実施メニューが少なく方法論とその理論的根拠も貧しいのが現状である。
生活習慣病対策として食事療法と並んで重要な運動療法はその理論的根拠のもとづく方法論の確立とその普及が急務とされるところです。
このような現状下で、生活習慣病に対する運動療法の方法論の確立とその普及をめざした日本運動医療法推進機構を同志の方々と発足させる次第である。
積極的なご参加と当機構の発展に関係各位の暖かいご支援を要望するところである。 |